選挙
【東京雑学研究会編】
§開票が終わってないのになぜ当選がわかる?
選挙のときに、いつも不思議に思うことがある。開票一%で、まだ始まったばかりだというのに、当選確実が打たれることがあるからだ。
例えば、八割開票したとかせめて過半数開いたというなら、そういう予想もできるのかもしれない。なぜ、ほとんど票があかないうちから、当確がわかってしまうのだろう。
この当選確実というのは、実際には各報道機関がその責任において発表しているものである。当選という文字を出すからには、各機関はきちんと事前調査をしている。
当選確実を出すために行う事前調査とは、当日までの票読みと世論調査である。選挙区の産業や人口の構造からその傾向を割り出し、各陣営への細かな取材を重ねて、票の流れを読む。さらに、電話アンケートなどで住民の声を聞き、裏付けするのである。
さらに、当日は投票所から出てくる人をキャッチして、支持政党を聞くという出口調査を行い、よりその予想を裏付ける。
実際に開票が始まったら、開票現場で積まれている票の高さや取り出される得票数を確認し、それを報告する。データとしてコンピュータに入力したら、それで当落がわかるのである。しかし、そこまで綿密に行っていても間違いは起きてしまう。当確が出てバンザイをした後で、実は落選だったというケースも時々起きてしまうのである。それは、報道機関同士の過当競争によるものである。少しでもよそより早く当確を出したいという気持ちがあせりとなって、ミスが出てしまうのである。いかにハイテクを用いても、やはり人の心を読むのは本当に難しいということか。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670541 |