セックスレス
【東京雑学研究会編】
§どのくらいセックスをしなければ「セックスレス」なのか?
最近は男女の性をめぐる問題も、ずいぶん様変わりしてきたようだ。昔は結婚すれば当然のように子どもが生まれることを期待し、それ故の性の関係があったように思われるのだが……。
ところが近頃では、以前とは違った質の、男女の性の問題が見られるようだ。「セックスレス」(セックスをしない)カップルの増加である。性に関する不安や障害を訴えて、メンタルクリニックを訪れる人の半分が、セックスレスのカップルだそうだ。
日本性科学界では、「セックスレス」という言葉を次のように定義している。「決まった性的パートナーがいて、単身赴任や入院などの特殊事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交、あるいはセクシュアルコンタクト(ぺッティングやオーラルセックス、裸で抱き合って寝るなど、当人同士が考えている性行為全般)が、一か月以上なく、その後も同じ状態が長期にわたることが予想される場合」。
中高年での原因としては、相手に新鮮さを感じなくなったこと。それ以外に勃起障害、性嫌悪症、性欲障害、性的回避などがあげられる。
女性に多いのが、性嫌悪症。夫とのセックスという特定の状況で、性欲がわかないというものである。男性の場合は、性的回避が最近急に増えているという。
この症状を持つ人の場合、どちらも高学歴で、恋愛の経験が乏しいという共通点を持っているといわれる。批判に弱く、失敗を恐れて引きこもりがちになる回避型人格障害というタイプだ。ストレスや疲労の多い社会で生活していることも一因かもしれないが、前者のような「心の不安」が大きな原因だと見られている。
そのほか、テレビ、パソコンゲーム、映画など、夫婦のコミュニケーションの手段は、いくらでもあるというのも無視できないそうである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670538 |