スピードメーター
【東京雑学研究会編】
§スピードメーターはなぜ一八〇キロまで表示してあるのか?
交通事故の多発が問題になって久しい。取締りを厳しくしても、その件数はいっこうに減りそうもない。無免許、飲酒、居眠り、スピードの出し過ぎなど原因はいろいろある。
運転する方にも問題があることは認めるとして、それでは車の方には何も問題がないのかというと、そうではないだろう。日本の道路の制限速度は、最高でも時速一〇〇キロなのに、アクセルを踏めばたちまち一四〇キロも出る車を製造販売している方に問題はないのか、そこが疑問である。
車メーカーに質問状を出した人がいる。今一〇〇キロか、一八〇キロかとメーターを読む必要のないように、そこまで目盛りを刻まなくてよいのでは、ということである。
暴走志向をあおるようなことはせず、制限速度内で運転を楽しめるよう配慮し、一〇〇キロ以上を赤で塗りつぶしてはどうかというものである。
車メーカーの言うには、「暴走志向をあおるつもりではなく、エンジン出力は高速での危険回避に必要なので、そのために何キロかわかるように表示する」ということである。
市販の乗用車は、一八〇キロあたりでリミットが効くようになっているとのこと。そのリミットを一〇〇キロにすればいいのだ。危険回避に一六〇キロとか一八〇キロも出す必要はないと思われる。
事故の被害者になった人や、被害者でなくても関心のある人は、PL法(製造物責任法)第三条をよく読む必要がありそうだ。「製造業者等は(製造物の)欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる」とある。
質問状の主は、ちょっとアクセルを踏めば、たちまち一四〇キロも出る車は、欠陥車ではないのかと指摘。また、消費者は車メーカーに損害賠償を求める訴訟を起こして、交通事故を減らす方向に一石を投じてはどうかという提案もしている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670508 |