ジン
【東京雑学研究会編】
§ジンは最初利尿剤だった!
ジンライム、マティーニ、ジントニックなどのカクテルに用いられるジン。これはオランダの医師が偶然発見し、最初は利尿剤として使われていたものだったのだ。
ジンは一七世紀の半ば、オランダの医師シリビウスが薬用酒を作ろうとジュニパリー・ベリー(杜松)の実をエチルアルコールに浸して蒸留していたら、そこから香りのいいお酒が生まれた。ためしに一口なめてみると、これがばつぐんにおいしかった。
とりあえず、ジンは利尿剤や解熱剤として薬局に並んだ。けれども当時の酒飲みたちは「これは薬だから」といいながら、おいしくて値段の安いこの酒を楽しんでいたらしい。
このジンは一七世紀の末に、イギリスに「ジェネバ・ジン」の名前で伝えられた。やがて「ジェネバ」がなくなって、単に「ジン」と呼ばれ、世界各国に広がっていった。
現在、ジンはオランダ・ジンとロンドン・ジンが代表的だ。
オランダ・ジンはアルコール分四五%、淡黄色で重厚な風味が特徴。ストレートで飲むのが好まれる。
ロンドン・ジンはアルコール分四〇~五〇%で無色で辛口、ドライ・ジンとも呼ばれる。こちらはストレートよりもカクテルの基酒として広く使われている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670481 |