ショパン
【東京雑学研究会編】
§愛する人の腕の中で息を引き取りたかった作曲家
ソナタやポロネーズなど、ロマンチックな名曲の数々をこの世に残した、有名な音楽家といえばショパンである。
ショパンには、女流作家ジョルジュ・サンドという美しい恋人がいたといわれている。二人は、お互いの芸術性を互いに評価し合い、ともに憧れを抱いていたようだ。そして、出会いから二年の歳月を経て二人は決定的に結ばれる。
ある日のこと、ショパンは肺病のため床につく。その病床で実にショパンらしいロマンチックなエピソードがいくつか残されている。
死の四日前のこと。肺病という苦しみの中、ショパンはベッドの中で息も絶えだえ、ある人が来る事を信じて待っていた。恋人の女流作家ジョルジュ・サンドである。
というのも、彼女はいつも「あなたが死ぬときは、私の腕の中でよ」と優しくショパンへささやいていたからである。
結局、彼女はショパンの死に間に合わなかったらしいが、なんともロマンチックなエピソードである。
そして、もう一つショパンらしいエピソードが残されている。
死ぬ間際にショパンは、親友のポトッカ夫人に「モーツァルトをひいてほしい」とお願いをしていた。モーツァルトは、彼がいちばん敬愛していた音楽家であった。
そして、一八四九年、ショパンは、親友のポトッカ夫人の奏でるモーツァルトの曲を聴きながら永眠の床についたともいわれる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670476 |