春分・秋分の日
【東京雑学研究会編】
§春分・秋分の日は昼と夜の長さが本当に同じなのか?
春分と秋分の日は、昼と夜の長さが全く同じである。これは、太陽が地球の赤道の真上にくる日であり、地球の自転軸が太陽の方向に向かって直角になっているからで、誰が考えたって、地球上のどの場所にいようと、昼と夜の時間は全く同じになるはずなのである。
でも、実はこれはあくまで理論上だけの話。厳密に言えば、昼と夜の時間は、ほんのわずかではあるが、昼の方が長いのである。
その理由を理解するには、まず「日の出」「日の入り」の時間がどのようにして決められているかを知らなければならない。
日の出は、太陽の上のヘリが地平線に現れた瞬間であり、日の入りは太陽のヘリが完全に地平線に沈んで、全く見えなくなった瞬間とされている。ということは、よく考えてみると、太陽が沈み切る時間分だけ昼間の方が長いことになるのである。
しかも、大気による光の屈折によって、太陽は本当の位置より浮き上がって見えるので、実は太陽は日の出の少し前から見え、日の入りの少し後にも見えているのだ。このタイムラグを角度から計算してみると、日の出・日の入りともにそれぞれ約四分。つまり両者合わせて約八分、昼間の方が長くなってしまうのだ。
だから、せっかく赤道の真上に太陽がやってくる春分や秋分の日ではあるが、現実には昼と夜の時間に差が出てしまい、昼間のほうがやや長いのである。ちなみに、両者が本当に同じぐらいの時間になるのは、春分の日の場合は三日前頃、秋分の日の場合は三日後頃である。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670464 |