サングラス
【東京雑学研究会編】
§サングラスを最初に使ったのは裁判官だった!
サングラスといえば、強い太陽光線や照り返しから目を保護するもの、つまり日よけとして、海辺やスキー場で広く使われている。ところがこれが作られた当初は、全く思いもよらぬ使われ方をしていた。
意外にも、サングラスのルーツは一五世紀の中国にあった。その頃は眼鏡をいぶして、ススで黒くするという素朴な技術で作られ、度は入っていなかったという。これを使っていたのが、なんと裁判官だった。
サングラスをかけた裁判官。想像するだけで、なんとも迫力ある法廷シーンが浮かんできそうだが、どんな判決を下すか、法廷の人々に悟られないよう、サングラスで表情を隠していたのだ。
中国にもその後、度つきのものがイタリアから入ってきたが、これもまた黒くいぶされ、裁判官が使用した。
時は流れ、ハリウッドスターたちが愛用するようになると、オシャレの小道具としてのサングラスが誕生。一九六〇年代にガラス製品の一大メーカー、フォスター・グラント社が、サングラスをかけた俳優たちをCMに登場させ、人気に火がついた。
銀幕のスターにとっては、プライベートでは顔を隠すため、またスクリーンではより謎めいた魅力を発揮させるため、サングラスは欠かせない小道具であったのだろう。
今日でも、オシャレを楽しむ若者たちの間で、より個性的な自分を演出させる小物として活躍している。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670400 |