アメンボ①
【東京雑学研究会編】
§アメンボでも溺れることがある?
池や湖、小川などの水面を、すいすい滑って自由自在に移動する昆虫が、アメンボである。アメンボという名前は、焦げた飴のような匂いを出すからだといわれている。
アメンボの不思議な能力は、水の表面張力を利用したものである。アメンボの全身は、水に濡れない細かい毛でおおわれている。中でも、足の節と、後ろ足の下半分は、防水性の毛が層をなしており、水に触れるのはこの毛の層だけなのである。
アメンボの足と水の分子とが引き合う力よりも、水の分子同士が引き合う力のほうが大きいので、アメンボは沈んだりせずに、水の上を移動できるのである。
また、ほとんどの昆虫は、足の先にツメがあるが、アメンボのツメは高い位置にあるので、とがった先端が水の表面の膜を傷つけ、表面張力を消してしまうこともない。
アメンボは、短い前足と、長い中足、後ろ足を持っている。短い足は、ふだんは頭の下にそろえられて体の支えになっており、中足と後ろ足を、オールのように動かして水面を進む。このように、アメンボの体全体が、水面で活動するために、都合がいい仕組みになっているのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670028 |