MERS/マーズ
【まーず】
Middle East Respiratory Syndrome。中東呼吸器症候群。
2012年に初めて確認された新型コロナウィルスによる感染症。
このウィルスは2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS(サーズ))の原因となったコロナウィルスの仲間であるが、MERSとSARSは異なる病気である。
ヒトコブラクダが感染源のひとつと疑われているが、人がどのようにしてMERSに感染するか、正確には分かっていない。また、患者の中には動物との接触歴がない人も多く含まれており、ヒトからヒトへの感染も考えられ、変異する可能性なども懸念されている。
アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン、レバノンといった中東地域を中心に広がり、のちに欧州、韓国で確認された(6月1日時点)。
感染すると、2~14日間の潜伏期間の後、発熱、咳、下痢や肺炎などの症状が現れ、軽度な場合は症状が現れない場合もあるが、高齢の方や基礎疾患がある場合には重症化する傾向がある。
現在ワクチンなどの治療薬はなく、対処療法を行うことになる。
世界保健機関(WHO)の調査では、6月1日までに20カ国以上で1150人の患者が確認され、少なくとも431人の死亡が報告されている。
日本では厚生労働省が2015年1月、感染力や危険性が高く、早急な届け出が必要な「2類感染症」に位置づけている他、空港等の検疫所では、MERSの発生国からの入国者・帰国者でMERSに感染した疑いがある場合、MERSウイルスの検査や健康監視を行ってる。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425612 |