伊勢志摩サミット
【いせしまさみっと】
2016年に日本で開催されるサミット(主要国首脳会議)の会場がリアス式海岸の景勝地として有名な「伊勢志摩国立公園」に位置する三重県志摩市に決まった。
「日本の美しい自然、豊かな文化、伝統を世界のリーダーに感じてもらえる場所にしたいと考えた。伊勢志摩サミットだ」と6月5日、安倍首相が記者団に語り明らかになった。
日本では過去5回サミットが行われているが、近年では警備の観点から大都市を避け、地方で開催されるケースが続いており、2000年の沖縄県名護市、2008年北海道洞爺湖町に続き東京以外では3回目の開催となる。
今回志摩市の他、仙台市、新潟市、長野県軽井沢町、浜松市、名古屋市、神戸市、広島市の8か所の候補地があったが、志摩市は警備面で有利とされていた。というのもメイン会場になると思われる志摩観光ホテルは、周りを海に囲まれた英虞湾に浮かぶ「賢島」に位置し、本州から渡るには二本の橋だけ。人の出入りを規制しやすいという利点が評価された。また、志摩観光ホテルでは1987年に4極通商会議の開催経験や、皇太子時代を含め天皇陛下の宿泊が5回を数えるなど、警備面の経験もある。
安倍首相が日本の伝統をアピールできる場所とした伊勢神宮、「日本の原風景ともいえる自然がある」とした英虞湾に浮かぶ島々、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録しようとの運動がある「海女文化」など、もともと観光要素が多い伊勢志摩地方であるが、自治体や観光関係者らは喜びに沸き、国際的な知名度アップが今後の観光客増につながることを期待している。
尚、地元の百五銀行(津市)グループのシンクタンクによると伊勢志摩サミットの経済波及効果は県内だけでも約130億円に上るとの試算をまとめている。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425613 |