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東京都知事選挙
【とうきょうとちじせんきょ】

東京都知事選挙

(概要)
 東京都の知事を決める選挙。マスコミ等では「都知事選」と略称が用いられることが多い。
 都の財政規模は約11兆7742億円(2012年度予算案)と韓国やノルウェーの国家予算に匹敵する。首都の行政トップとしての影響力から、都知事選は有権者メディアから国政選に劣らぬ注目度を集めることが多い。
 過去の都知事選は戦後17回、すべて4年間の任期満了に伴い、統一地方選挙で行われてきた。しかし12年10月31日、石原慎太郎知事が国政転出を目指し4期目の途中で辞職、任期途中の辞職による知事選が初めて行われることになった。12年都知事選は11月29日告示で、投開票日は史上初めて衆院選と同日となる12月16日。作家で副知事の猪瀬直樹、前神奈川県知事の松沢成文、日本弁護士連合会前会長の宇都宮健児、自民党元総務会長の笹川堯の4氏を中心とした争いになる見通しだ。

(解説)
 石原前知事の突然の辞職に伴って行われる12年都知事選は、13年余に渡った「石原都政」のあり方を改めて問われる。13年9月に開催地が決まる20年五輪招致の問題、石原氏の肝いりで創設も一時は経営破たん寸前となった「新銀行東京」の経営問題、東京電力の大株主として原発問題へのスタンスなどが主な争点となりそうだ
 石原氏から「後継指名」を受けた猪瀬氏は、公約で都営地下鉄と東京メトロの一元化、国が所管しているハローワークの職業紹介機能を都に移管することなどを新たに掲げている。有力4氏の間で、際立つのは「新銀行東京」の扱いだ。猪瀬氏は石原都政を継承する形で、引き続き都による経営再建を進める考えを示しているのに対し、松沢、宇都宮、笹川の3氏は撤退や整理売却、清算などいずれも手を引く構えだ。また原発を巡っては、宇都宮氏が明確に脱原発、笹川氏は代替エネルギー促進を掲げている。

 過去の都知事選は、「保守VS革新」「既成政党VS無党派層」といった時々の政治情勢に合わせ、数々のドラマを生んできた。1975年には、若き日の石原慎太郎氏が出馬表明。革新系の現職、美濃部亮吉知事が勇退を撤回し、石原氏の挑戦を退けた。91年には自民党が分裂し、東京都連が推す鈴木俊一知事が、党本部公認の元NHKキャスター磯村尚徳氏に勝利。都知事選敗北の責任を取り、小沢一郎氏が党幹事長を辞任した。95年は、無党派層の支持を受けたタレントの青島幸男氏が、自民、社会など既成各党が相乗りで支援した元内閣官房副長官の石原信雄氏に競り勝って衝撃を与えた。99年は、最多の19人の候補者が乱立。前衆院議員の鳩山邦夫氏、国際政治学者の舛添要一氏、元国連事務次長の明石康氏、「金八先生」のモデルで教育評論家の三上満氏、元外相の柿沢弘治氏らが挑んだが、告示直前に電撃出馬した石原慎太郎氏が初当選した。衆院選と同日となった今回の選挙は、「盛り上がり欠け『埋没』の懸念も」(12年11月17日・日本経済新聞)という論評が少なくない。

 都知事選は、企業経営者や宗教家、芸能人などが出馬してユニークな選挙活動を展開することでもおなじみ。近年は動画サイトソーシャルメディアで彼らの政見放送や街頭演説の模様が出回っている。発明家のドクター中松(中松義郎)氏は91年以降、度々出馬。ジャンピングシューズを履いて飛び回る姿がメディアで取り上げられた。91年には歌手の内田裕也氏が政見放送で全編英語の演説や歌を披露。2011年には、マック赤坂氏による「スマイルセラピー」がネット上で話題になった。




時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部)
「時事用語のABC」
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