【時事用語のABC】時事用語アーカイブ > 生活
フラーレン
【ふらーれん】
						
fullerene
						炭素原子からなるサッカーボール型の分子構造
 炭素原子60個がサッカーボールのように五角形と六角形の多面体の組み合わせをつくって存在する分子のこと。多種多様な産業への応用が期待されている素材のひとつ。
 フラーレンは、ダイヤモンドや黒鉛(グラファイト)などと同様に炭素の同素体で、60個の炭素原子から構成されている。サッカーボール型の強い構造をしていることから、コーティング材に混ぜることによって、ダイヤモンド並みの硬度を実現できるという。ナノテクノロジー分野の成果のひとつとして、応用が期待されている。
 これまでのところ、フラーレンの生産単価が高い水準だったため、市場にはあまり流通していなかった。ところが、技術革新(イノベーション)による生産コストの大幅な削減が可能となり、今後さまざまな産業分野での利用が広がりそうな気配がある。
 フラーレンの存在は、1970年に大沢映二・豊橋技術科学大学教授が予言していた。その後、1985年に実物が外国人研究者によって発見されたため、クロート、スモーリー、カールの3人はノーベル賞に輝いている。
 ちなみに、フラーレンの名は、同様の構造を建築物に採用した建築家の名前に由来する。
						
|  | 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425071 | 


 
	








