グラッパ
ぶどうの搾りかすから造ったブランデー
イタリア産のブランデーの一種。ワイン用ぶどうの搾りかすを発酵させたアルコールを蒸溜して造られている。アルコール度数は37.5~60度と高く、強烈な個性が持ち味だ。EUの法律ではイタリアで造られたもののみがグラッパと呼ばれる。
熟成方法でいくつかに分類され、ステンレスタンクで最低6カ月熟成させた無色透明の「ジョヴァーネ」または「ビアンカ」と、木樽で18カ月以上熟成させた琥珀色の「リゼルヴァ」または「ストラヴェッキア」が一般的。10年以上の長期熟成酒もあり、洗練された味わいは、上質のコニャックにも劣らない。ぶどうの品種も重視され、「グラッパ・ディ・バローロ」「グラッパ・ディ・モスカート」など名称に掲げているものも多い。
主要産地はヴェネト州とピエモンテ州
グラッパの名の由来は、ヴェネト州ヴェネチア北部の町バッサノ・デル・グラッパからつけられたという説や、ぶどうの房を意味するgrappoloから来たという説がある。
バッサノ・デル・グラッパは「グラッパの聖地」として知られ、1779年創業のナルディーニ社や1898年創業のポーリ社、ポーリ社設立のグラッパ博物館などがある。ピエモンテ州もグラッパの産地で、1947年に創業したベルタ社は、木樽熟成を行うタイプで新時代を切り開いた。ヴィンテージ品が人気を集めている。
| 東京書籍 (著:上田 和男) 「洋酒手帳」 JLogosID : 8515601 |