トンネルの長さ②
【とんねるのながさ】
長い長いトンネルのチャンピオンは?
トンネルの掘削技術は日に日に進歩し、高速道路の建設が進むにつれて、長大トンネルが各地で誕生している。高速道路は、一般道路のようにヘアピンカーブや急勾配があってはならないし、輸送力を高めるために、ルートの直線化が図られている。従って、トンネルも必然的に長くなる。それを物語るように、長大トンネルの上位は高速道路上に建設されたものが多い。
トンネルは橋に比べると全般的に長い。一〇〇〇mを超える橋は数えるほどしかないが、一〇〇〇m以上のトンネルは全国に五〇〇か所以上もある。
日本一長い道路トンネルは、関越トンネル(関越自動車道、群馬・新潟、一一・一km)だ。長さが一〇kmを超える道路トンネルは、現在のところは関越トンネルだけだが、将来これよりも長いトンネルが各地で建設されることは間違いない。道路トンネルの二位は東京湾アクアトンネル(国道四〇九号、神奈川・千葉、九・六km)、三位は恵那山トンネル(中央自動車道、長野・岐阜、八・六km)、四位新神戸トンネル(市道、兵庫、七・二km)、五位雁坂トンネル(国道一四〇号、埼玉・山梨、六・六km)である。
鉄道トンネルは道路トンネルよりもかなり長い。というのも、鉄道はカーブと勾配に弱いからで、この弱点を補おうとすると、トンネルは長くぜざるを得ないのである。たとえば、群馬と新潟の県境に横たわる越後山脈を抜けている道路トンネル(関越トンネル)が一一・一kmであるのに対し、鉄道トンネル(大清水トンネル)は二二・二kmもある。
ちなみに日本一長いトンネルは、青森県の津軽半島と北海道の渡島半島を結ぶ全長五三・九kmの青函トンネルだ。もしこれが道路用のトンネルだったら、もっと短いトンネルで済んだはずである。
| 日本実業出版社 (著:浅井 建爾) 「道と路がわかる事典」 JLogosID : 5060132 |