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日本史の雑学事典第2章 事件の巻 > 江戸時代

浅野内匠頭
【あさのたくみのかみ】

■10 浅野内匠頭「乱心」の理由…ストレスから来る精神病の発作だった?
 江戸城内での刃傷沙汰という大事件の原因は吉良の嫌がらせにあり、堪忍袋の緒が切れた浅野は悪くない、同情の余地があるというのが、おおかたの説である
 ところが、悪人とまではいかないが、浅野は精神障害者で、吉良はその被害者だったという説がある。これを唱えたのは、精神科医の中島静雄氏である
 浅野長矩は、江戸城で刃傷沙汰を起こす3日前、持病の『痞』が悪化して、医者に薬を出してもらっている。
 この痞という病は、胸部などに強い圧迫感を覚える病気である心身症精神病によくあるものだという。勅使饗応役の準備で、極度のストレス状態から、こうした発作が出たのだと中島氏は判断する。
 事実、浅野が刃傷沙汰を起こしてからの行動は極めて奇妙である。これについては、事件後、浅野の身柄を預かった田村右京大夫の『浅野内匠頭御預一件』という記録から判明する。
 これによると、浅野は、即刻切腹を命ぜられたわけではなく、数時間の取り調べを受けている。その取り調べに対して、ほとんど口を開かず、何の理由も述べていないのである。なおかつ、人を斬ったばかりなのに、腹が減ったと言い、湯漬けを2杯も平らげたうえ、酒や煙草も要求している。ちょっと尋常な精神状態とは思えない。
 つまり、浅野の乱心(精神病の発作)によって刃傷沙汰が引き起こされた可能性が高いと考えられるである




日本実業出版 (著:河合敦)
「日本史の雑学事典」
JLogosID : 14625023


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出版社:日本実業出版社[link]
編集:河合敦
価格:1,404
収録数:136語
サイズ:18.6x13x2.2cm(四六判)
発売日:2002年6月
ISBN:978-4534034137

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