【四字熟語】四字熟語 > 格言ことわざ故事来歴
鶏鳴狗盗
【けいめいくとう】

いやしく、くだらない人間。こそ泥。こすっからい才覚のある小人物のたとえ。また、そんな人間も何かの役には立つということ。戦国時代、斉の孟嘗君は、多くの逸材を集め、評判が高かった。秦の昭王は、彼の勢力が強くなるのを恐れ、自国の宰相にと誘い、暗殺しようと企てた。孟嘗君は昭王の愛人に釈放を依頼したところ、彼女は「あなたが王に献上した白狐の毛皮が欲しい」という。そこで”こそ泥”の名人を使って毛皮を盗み出させ、そのとりなしで逃げ出した。が、途中の関所で足止め。鶏が鳴く明け方まで旅人を通さないとのこと。そこで”ものまね”上手な者が「コケコッコー」とやったら、本物のニワトリまで鳴き出して、無事に通過できたという話から出た。こうなると、小悪党も使い方ひとつということになるが、犬のようにしのび込んで盗む”狗盗”の方に重点が移り、こすい人物のたとえになった。『史記』孟嘗君。
馬鹿と鋏も使いよう。「夜をこめて鳥のそらねははかるともよに逢坂の関は許さじ」(百人一首、清少納言)。
![]() | 日本実業出版社 (著:真藤 建志郎) 「四字熟語の辞典」 JLogosID : 4373830 |