科学の目的は無限の英知への扉を開くことではなく無限の誤謬に一つの終止符を打っていくことだ
【名言名句】
科学の目的は無
限の英知への扉を開くことではなく無限の誤謬に一つの終止符を打っていくことだ
【解説】
ブレヒトの言葉はやや逆説的で、科学が無限の英知への扉であることはたしかなのだが、人間の誤りを訂正することが科学だという。
天動説の時代、ガリレオが地動説を唱えたことでいかに非難され迫害されたかはよく知られている。しかし、現代から見れば、彼は天動説という誤謬に終止符を打ったのだといえるだろう。しかしまた、それが最終的な終止符ではなかったことも、現代の種々多様な宇宙観や進歩した学説をみればあきらかである。今現在信じられていることも、いずれは誤謬であったと評価されることになるかもしれないのだ。一つ終止符を打つごとにまた無数の誤謬が生み出され、それをまた一つひとつ検証して終止符を打っていくことが科学なのかもしれない。
【作者】ブレヒト
【生没年】1898~1956
【職業】ドイツの劇作家
【出典】『ガリレイの生涯』
【参考】ブレヒトは衛生兵として召集され、戦争の悲惨さを味わう。このときの体験が社会主義に接近するきっかけとなった。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450594 |