源空が信心も如来よりたまはりたる信心なり善信房の信心も如来よりたまはらせたまひたる信心なりされば
【名言名句】
源空が信心も如
来よりたまはりたる信心なり善信房の信心も如来よりたまはらせたまひたる信心なりさればたゞひとつなり
【解説】
法然上人(源空)の弟子であったころの親鸞(善信房)が、「自分の信心も法然の信心も同じである」といって兄弟弟子たちの反感をかったとき、法然は、「如来から賜った信仰は、みな同一で平等である」、とさとし、「別の信心をもっていたら浄土へは行かれない」といったという。
【作者】親鸞
【生没年】1173~1262
【職業】浄土真宗の開祖
【出典】『歎異鈔』
【参考】親鸞は九歳で出家して、比叡山で修行した。二十九歳で比叡山を下り、法然門下に入った。専修念仏の禁止により、法然は土佐へ、親鸞は越後に流された。赦免後、親鸞は越後・関東で布教活動をしてのち京都へ戻り九十歳の長寿を生きた。『歎異抄』は親鸞の語録を中心に編まれたもので、作者は親鸞の直弟子の唯円だとされている。歎異の文字が表すように、異を嘆く、すなわち親鸞の死後に現れた異説を嘆きつつ、親鸞の本当の教え・思想を正しく伝えようと意図して作られた。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450587 |