一見、どんな無意味な苦しみや生き方にみえようとそれは必ず人の役にたっているものなのだ
【名言名句】
一見、どんな無意
味な苦しみや生き方にみえようとそれは必ず人の役にたっているものなのだ
【解説】
人間は意味のない、孤独な苦しみには耐えることができないといわれる。家庭や社会から切断された、ひとりぼっちの孤絶の状態におかれることは、人間として最悪の状態である。だからこそ意味のない苦しみだって生き方だって役に立つというのである。
この言葉は聖書の中にあるイエスの、当時の社会から差別されていた病人・身障者・精神障害者たちに対するときの基本的な考え方であった。この言葉を受け入れることによって、差別されていた人たちは、その病から解放されていった。イエスの癒しの奇跡の物語の本当の意味はここにある。
【作者】井上洋治
【生没年】1927~
【職業】カトリック司祭
【参考】二十代から友人であった遠藤周作は「ある日、見舞いにきてくれた彼(井上)は、しばらく私の顔をみていたが急に、『なァ、あとのことは心配するな、もし万一のことがあっても安心して死ねよ。俺があとは引きうけるから』とポツリと言った。その時は三度目の手術の危険さを覚悟していた時だったから、この心のこもった引導わたしの言葉はじんと身にしみた。」といっている。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450579 |