【名言名句の辞典】6叡智とわざ > 人知をこえて
あらゆる宗教は、道徳をその前提とする

【名言名句】
あらゆる宗教は、
道徳をその前提とする
【解説】
カントの宗教論の基になっている考えである。カントの母親は、敬虔派に深く帰依し、息子をしばしば町の外れに連れ出して神の業に目を向けさせたという。
そして、敬虔な恍惚のうちに神の全能と知恵とよき心とについて語り、万物の創造主に対する深い崇敬の念を息子の心に植えつけた。
こうした母の影響から、長じてからのカントは、健全な常識家といわれたように、個人的なあり方(自律的な理性)について規定する道徳が、すべての宗教の前提という命題を導き出したとされる。
【作者】カント
【生没年】1724~1804
【職業】ドイツの哲学者
【出典】『倫理学講義』
【参考】カントは、八十歳で亡くなった。カリーニングラード(ケーニヒスブルグ)にある墓には、「我が上なる星空と、我が内なる道徳法則、我はこの二つに畏敬の念を抱いてやまない」という墓碑銘が刻まれている。
![]() | あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450575 |