【名言名句の辞典】3人間 > 人間とは何か?
怒りを遷さず過ちをふたたびせず

【名言名句】
怒りを遷さず過ち
をふたたびせず
【解説】
腹の立つことがあっても自分の胸におさめて、怒りをほかの人にぶつけたりほかのことに及ぼしたりしない。また同じ過ちは二度と繰り返さない。この言葉は、孔子が、若くして世を去った弟子の顔回をほめたものだ。顔回という弟子は、相当に人間ができていたらしい。
ところで、「怒りをうつさない」というのはなかなか難しいことである。人は腹の立つことがあると、つい近くの人に八つ当たりしたくなる。しかし八つ当たりしてもなんの解決にもならないのだから、ここはやはり顔回を見習うように努力すべきだろう。
【作者】孔子
【生没年】BC551~BC479
【職業】中国の思想家
【出典】『論語』
【参考】『論語』は儒学の祖・孔子の言行を死後に弟子たちが編集したもの。顔回は孔子の弟子の中でも随一の秀才だった。孔子は彼を高く評価し自分の後継者と目していたが、惜しいことに若くして亡くなった。孔子は「天われをほろぼせり」といって嘆いたという。
![]() | あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450256 |