「大往生」というのは、死ぬことではない往生は往って生きることである
【名言名句】
「大往生」という
のは、死ぬことではない往生は往って生きることである
【解説】
現実には、往生とは死のことであるが、仏教では、死後の人間は、仏になって悟りを開くために仏の国に「往き生まれる」と説いたり、あるいは現世において阿弥陀如来に救われ、「生かされて往く」と考えたりする。いずれも、死というものを、単に死ぬことではなく、もっと積極的な意味でとらえようとしているかのようである。
高齢化社会にはさまざまな側面があるが、死を意識し、死について深く考える時間が長くなるという一面もある。死を正面から見据え、前向きにとらえていこうとする姿勢が求められる時代なのかもしれない。
【作者】永 六輔
【生没年】1933~
【職業】エッセイスト
【出典】『大往生』
【参考】永六輔は、昭和時代、『上を向いて歩こう』『見上げてごらん夜の星を』『いい湯だな』など数々のヒット曲を作詞、世に送り出した。『大往生』は一九九四年の出版。あまり深刻にならず、すなおに「病」や「死」を語ろうという趣旨で書かれたもので、最後は諧謔たっぷりの自分への弔辞で結ばれている。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450165 |