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東洋医学のしくみ4章 漢方薬の世界 >

漢方薬の作用
【かんぽうやくのさよう】

漢方薬は体内でどう作用するか

◆薬の成分も経絡で運ばれる
 漢方薬を学ぶ際の基本である中薬学のテキストを見ると、各薬草の効能に加えて、「色・形・味」のほか、飲むと体が温まるのか冷えるのかという「寒熱性の性質」「帰属する経絡」などが表示されています。
 帰属する経絡のことを「帰経」といい、その薬草の有効成分がどの臓器からどの経絡を通って全身に作用していくかを示しています。
 経絡については鍼灸や按摩での治療に限定された理論ではなく、漢方薬を使用するときも重要な役割を果たします。東洋医学では、診断と治療は一貫していなければなりませんから、漢方薬治療のときだけ経絡は無関係という方が、逆におかしいのです。
 漢方薬の成分は消化吸収されたあと、体内深部の循環路である血脈を中心に運搬されて特定の臓器で作用を発揮します。さらに、その臓器と連絡している経絡に入り、体表近くを通ってその経絡が分布している身体各部に作用します。これが「帰経」という意味です。

◆色や形などから効能を想像する
 中薬学の基礎を確立した人たちは、各薬草の効能や帰経をどういう方法で知ったのでしょうか。中国三千年の歴史の中、経験や吟味を経て、知識が積み重ねられてきたのは間違いありません。
 しかし、調べるべき薬草の種類は膨大ですから、経験の蓄積といっても手当たり次第にやっていたのでは体系づけることなどできないでしょう。何らかの指針や目安になるものが必要です。その目安となるのが、帰経とともに表示されている薬草の色や形などです。
 東洋医学の根底には、大宇宙の自然と小宇宙の人体は一体であり、自然の法則は人の体にも通じるという哲学があります。この考えを広げると、自然の中の他の小宇宙、たとえば植物などにも人体と同じ法則の通じるものがあるということになります。その考えのもとに、薬草の色、形、味、香りなどを、類似性のある人体の部分に当てはめて、効能や帰経を想像していったのです。
 血が赤い色をしていたり、出血して血が固まると黒っぽくなる例を見て、それぞれ、赤い色の薬草は血液の関係の治療に使えるとか、黒い色は止血の作用があるだろうというように、人体との類似性を想像していくのです。
 子供だましのように思うかもしれませんが、止血作用のある漢方薬は実際に薬草を炭のように黒く炭化させてから使用します。形についていうと、牛の膝に似た「牛膝」という薬草は、膝の症状に効くという例もあります。
 色や形が似ていればすべて薬草として使えるということではもちろんなく、そういう自然の状態をヒントにして実際に使用した結果、本当に効果のあったものだけを残してきたということなのです。




日本実業出版社 (著:関口善太)
「東洋医学のしくみ」
JLogosID : 5030085


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出版社:日本実業出版社[link]
編集:関口善太
価格:1,620
収録数:115
サイズ:20.8x14.8x1.6cm(A5判)
発売日:2003年7月
ISBN:978-4534036179

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