気管支喘息(小児)
【きかんしぜんそく(しょうに)】
Bronchial Asthma
喘息は、何らかの原因で気管支の筋肉が収縮して狭くなり、同時に気道に痰(たん)などの分泌物が増えてつまるため呼吸困難を起こす病気です。
小児の気管支喘息は成人の喘息に比べてアレルギー体質が原因のことが多くなっています。90~95%がアトピー型と呼ばれるもので、特定のアレルギー原因物質(アレルゲン)に対するIgE(免疫グロブリンE)抗体が認められます。アレルゲンとして多いのは、ほこり、ダニ、カビ、花粉、ペットの毛、タバコの煙などです。天候の変化やかぜなどのウイルス感染も発作の引き金になります。近年、喘息の本体は慢性の気道の炎症であり、これに伴って気道の過敏性が起こり急性の気管支の狭窄(きょうさく)や分泌物の増加をきたすと考えられるようになりました。この概念に従って、喘息の治療は急性の発作を抑えるだけでは不十分で、慢性の気道の炎症を治療することが重要とされるようになり、ガイドラインが作成されて治療方法が大きく変わってきています。
| 寺下医学事務所 (著:寺下 謙三) 「標準治療」 JLogosID : 5035265 |