6.その他
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【東京-五つ星の蕎麦】 蕎麦の蘊蓄 > そば屋の系譜
技術と歴史のあるそば屋といえば、これまでみてきた砂場、更科、藪、一茶庵、東家の暖簾だけではない。
●神田まつや
この店は、そば好きの人々には圧倒的な人気だ。
創業は明治十七年(一八八四)、三代目当主は小高登志氏。かんだやぶそば、茅場町長寿庵、蓮玉庵の指導を受け、江戸の技術を集めた安定した味を常に供している。また、上質の酒と共に、そば味噌、玉子焼き、わさびかまぼこなど、単純なつまみで居心地のよい時を過ごすことのできる店であることを特記したい。
●蓮玉庵
創業は安政六年(一八五九)。明治から大正、昭和にかけて、森鷗外、坪内逍遙、樋口一葉、斎藤茂吉、久保田万太郎など文人たちに愛されてきた店だ。六代目当主は澤島孝夫氏。関東大震災で歴史をしのばせるものすべてを消失したそうだが、名代の味は損なわれることなく受け継がれている。
●目黒長寿庵総本家
創業は明治十年(一八七七)。五代目当主栗田秀夫氏。白いそばではないが、田舎そばほど色濃くはない。店の周辺は会社・商店が多く、安くて旨いので、働く人たちには人気の店だ。もりそば四〇〇円という安さ。そばはもともと庶民の食べ物である。値を抑えて、多くの人に味わって貰いたいというのが、栗田氏の哲学なのだろう。
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【この辞典の書籍版説明】
「東京 五つ星の蕎麦」見田盛夫/選 |
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並木藪蕎麦、巴町砂場、神田まつやなど伝統の技が味わえる名代の老舗から、進化し洗練された蕎麦でたちまち有名となった新鋭店まで、都内と近県の118の名店を料理批評家・見田盛夫が厳選。蕎麦の基礎知識や全国の名店217軒の情報も付いた、蕎麦好きのバイブル。 |
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出版社:
東京-五つ星の蕎麦[link] |