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そば屋
雑学大全2

そば屋には、「○○庵」など「庵」とつけられた屋号が多い。この「庵」はどこからきたのだろう。これは、江戸時代、浅草の極楽寺称往院のなかにあったお堂「道光庵」の「庵」にあやかってつけられたのがはじまりという。初代道光庵の庵主は、信州松本の出身で、生まれながらのそば好きだった。食べるのが好きなだけでなく、そばを打つのもうまく、はじめは檀家に所望されたときだけそばをふるまっていた。しかし、そばのうまさが評判になり、多くの人が押しかけるようになったという。以来、町のそば屋も「道光庵くらい繁盛したいものだ」と屋号に「○○庵」と付けるのが流行したそうだ。道光庵の繁盛ぶりは、江戸後期、天明(一七八一?八九)の頃のものといわれる『蟹甲雑記』にも書かれている。道光庵のそばは、そば粒の中心部分の一番粉のみを使う色白のそばだったという。いまでいう更科そばだ。色黒のそばしか食べたことのない当時の江戸っ子は、真白いそばにさぞかし驚いたことだろう。現在のように、そばを細く切って食べるようになった時期については諸説あるが、慶長年間(一五九六?一六一四)のはじめの頃というのが一般的なようである。それまでは「そばがき」「そば団子」「そば餅」といった食べ方をしていたようだ。なお、現在、「○○庵」という屋号を持つそば屋は、全体の二割近いともいわれる。

  

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