ガスメーター
毎月知らされている、ガスの使用量。そもそも気体であるガスの量をどのように計測しているのだろうか。
都市ガスや水道の利用料金は、利用したガスや水道の使用量にしたがって課金される。
しかし、気体や液体の使用量をどのように測っているのだろう。
ここで、都市ガス使用量の計測のしくみを見てみよう。
現在、家庭用に普及しているのは膜式ガスメーターである。
このメーターの内部は、可動式の膜で二つの部屋に仕切られている。
一方の部屋が外のガス管の圧力で充塡(じゅうてん)されているときには他方の部屋が狭(せば)まり、ガスを屋内につながるガス管に排出する。
ガスの使用中はこの動作が交互に繰り返されるため、往復回数をカウントすればガスの使用料がわかることになる。
これは巧妙(こうみょう)な技術なのだ。
爆発やガス漏れなどの問題で、都市ガスの使用を嫌う人もいる。
しかし、高温での調理、インフラの分散などという観点から利点も多い。
また、近年のガスメーターは「マイコンメーター」と呼ばれるように、マイコンが組み込まれている。
ガスの使用量を計測する以外にガス漏れを検知したり、長時間使用し過ぎたり、地震の揺れを感じたりすると、このマイコンが自動的にガスを止めてくれる。
ガスの安全性は飛躍的に向上しているのだ。
マイコンメーターの電源には、塩化チオニルリチウム電池が使われている。
これは、10年も交換せずに利用できるスグレモノである。
膜式ガスメーターは、そのしくみから考えると仕方がないことだが、大きな図体(ずうたい)をしていて場所をとる。
そこで最近は、超音波流量計というメーターが開発されている。
超音波の発信素子とそのセンサーをガス管の上流と下流に設置したメーターである。
ガスの上流から下流に伝わる音波のほうが逆よりも早いことを利用し、その差で流量を検出する。
シンプルな構造のため、大幅な小型化が可能だ。
ちなみに、同じ流体を測る水道メーターは、水の流れで水車を回し、その回転数で流量を測る。
しくみはわかりやすいが、正確に測るには技術がいる。
【執筆・監修】
中経出版 「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術vol.2」 JLogosID : 8567141 |