私的録音補償金制度
【してきろくおんほしょうきんせいど】
著作権法では、たとえ個人的に楽しむためであっても、MDやCD-Rなどのデジタル媒体を用いて録音・録画する際には、著作権者に補償金を支払わなければならないと義務づけている(著作権法30条2)。この補償金を回収し、著作権者に分配する仕組みが私的録音補償金制度だ。
補償金は、録音用の音楽機器や記録メディアの品代にすでに上乗せされており、購入者がメーカーを通じて支払う仕組みになっている。金額は、機器であれば「カタログに表示された標準価格の65%相当額の2%(上限1,000円)」、メディアであれば、「カタログに表示された標準価格の50%相当額の3%」と定められており、例えば標準価格1枚100円のMDを買った場合、内1.5円が補償金として徴収されている計算になる。
このようにして回収された代金は、この制度を主管する「(社)私的録音補償金管理協会(sarah)」から運営を委託された各団体から、(社)日本音楽著作権協会(JASRAC)→著作権者36%、(社)日本芸能実演家団体協議会→実演家32%、(社)日本レコード協会→レコード製作者32%、の割合で分配されている。
この制度は1993年6月から実施されているが、その間IT化が急速に進展したことなどにより、制度内に矛盾を抱えるようになってきた。特に補償金を上乗せされる記録メディアがDAT、DCC、MD、音楽用CD-R(RW含む)に限られており、iPodのようなメモリに録音するタイプの機器は対象となっていない点は問題が大きいとJASRACは主張。補償金を徴収する機器・メディアの見直しを求めている。
JLogos編集部
| Ea,Inc. (著:JLogos編集部) 「JLogos」 JLogosID : 12660108 |