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60歳からの人生を愉しむ心理学第4章 一生を共にする「周り」を >

妻に先立たれても長生きする男になるために

個人的なつながりを充実させよと言われても、男には男の特性というものがあるのだから、しかたないではないか。そう言いたくもなりますが、こと老後に関しては、インフォーマル・ネットワークが豊かなほうが幸せと言えます。
「友人がいる」ことが、孤独感を癒すのには大事だという研究があります。夫婦ではなく、友人関係のほうが重要らしい。
もちろん夫婦関係も大事ですが、夫婦は限定された関係ですから狭い。友人関係にはいろいろな友人がいます。元・仕事仲間で仕事の思い出話ができる友人もいれば、学生時代の友人、一緒に趣味を愉しめる友人。話題もバリエーション豊かにふくらみます。
配偶者が亡くなった場合の夫婦関係の研究がありますが、夫が先に亡くなった女性のほうが、ずっと夫と連れ添っている女性より長く生きる傾向があるようです。一方、男性は妻が亡くなると短命になります。
連れ合いを亡くした女性はのびのび、生き生きと行動し、自由にたくさんの人とつき合って、老後を謳歌(おうか)して長生きをする。連れ合いに先立たれた男性はしょんぼりして、身の回りの世話をしてくれる人もなく、孤独感に襲われ、そのストレスから短命になる。
その違いは、男性にとって最も身近な友人が「奥さん」だからです。妻以外の豊かなインフォーマルな関係を持っていない人は、一番親しい人が失われ、孤独になってしまう。一方、自分の豊かなインフォーマル・ネットワークを邪魔するくらいの存在だった夫がいなくなった妻は、その足かせが外れて楽しく過ごせる。
何となく男性が哀れに感じます。
自分がいなくなったら妻はそんなにも元気になるのかと思うと、どうも悔しい。
そんな女性に対抗するためには、男も「妻なんかいなくたって!」と老後を謳歌する必要があります。
無理やりにでも地域のコミュニティ活動などに参加したり、同好の士を集めて趣味のグループを作ったり、ボランティア活動をしたりと、まずは集まる機会を作ることをおすすめします。




渋谷昌三(目白大学教授)
日本実業出版社 (著:渋谷昌三(目白大学教授))
「60歳からの人生を愉しむ心理学」
JLogosID : 8615408


【辞典内Top3】 人生の前半戦に強い人、後半戦に強い人  「新奇性」があると、年をとっても軽やかな人になる  フラストレーション耐性の高い人ほど老後を愉しめる  
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