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60歳からの人生を愉しむ心理学第2章 「老い」へ向かう軽やかな >

「達成動機」の低い人は年をとるのが下手

つねに高い目標を掲げ、それに向かって努力をする。このような人を心理学では「達成動機が高い」と言います。
「達成動機が高い人」とは、レンガ運びの意味づけが上手な人とも言えるでしょう。「達成動機が低い人」は、目標設定があまり上手ではない。ですから無気力に陥りやすい傾向があります。
達成動機の低い人は、年をとってくると「今さらそんな高い目標を持ってもダメだ」「もう若くないんだから、今からやったって無駄だよ」と、さらに生きる張り合いを失っていきます。これでは、幸福曲線も下がっていくばかりです。
確かに、六〇歳を過ぎてからフィギュアスケートを始めてトリプルアクセルを飛べるようになる人はちょっといないと思いますが、だからと言ってすべてを無駄と決めつける必要もありません。今スタートすれば、一〇年後、二〇年後には大きな成果を得られることもあるはずです。
それでは、上手な目標設定の仕方とはどのようなものでしょうか?
まずは達成できる目標を立てること。人間はひとつのことをやりとげたときに「やった!」という喜びと達成感を得られるのです。
高い目標を立てて挫折感しか味わえない人より、ちょっとした目標を立てて達成感を味わうほうが、やる気が出て気分もよくなり、自分で自分をほめてあげたくなる。これが「やればできる」という自信になり、次の目標につながっていきます。
「やればできる目標」を次々と達成するうちに、前へ前へと進んでいく。時間が経つにつれて、「どうせできないよ」と足踏みしている人とは大きく差がついてきます。「どうせできない」とばかり言っている人は、本人が思っている通りのつまらない年のとり方になってしまうでしょう。
自分で自分に上手に「ニンジン」をあげられる人のほうが、結局、幸福と言えそうです。六〇歳でフィギュアスケートを始めれば、二〇年後にシニアの大会で優勝しないとも限らないのですから。




渋谷昌三(目白大学教授)
日本実業出版社 (著:渋谷昌三(目白大学教授))
「60歳からの人生を愉しむ心理学」
JLogosID : 8615385


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