【全国五つ星の手土産】中国 > 島根県
若草[彩雲堂]
【わかくさ】

不昧公が愛した名菓を再興
若草を模した餅菓子の逸品
![若草[彩雲堂]](../img/d054/temiyage278.jpg)
江戸中期、大名茶人として知られた松江藩七代藩主松平治郷(不昧公)のもとで、茶席で好まれた数々の名菓が生まれた。その代表的な一つが、不昧公がまとめた茶道の手引書『茶事十二ヶ月』で春の主菓子とされた若草だ。
文字どおり若草色の、しっかりした甘みが茶席にふさわしい和菓子だが、時の流れとともに製造技術が途絶。それを蘇らせたのが、明治7年(1874)に創業した彩雲堂の初代善右衛門である。
この若草、古老や茶人の言い伝えをもとに忠実に復活させただけに、素材や製法には特にこだわる。求肥は、奥出雲・仁多産のもち米を昔ながらの石臼で水挽きした自社製。さらに、切り分けた求肥に、緑色の寒梅粉のそぼろをまぶす作業は一つ一つが手仕事。これが餅の独特の風味と、ふんわりとした仕上がりを生むのだ。ほかにも四季を彩る和菓子は多彩に揃う。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「全国五つ星の手土産」 JLogosID : 14071877 |