船②
【東京雑学研究会編】
§まだまだあった! 船の重さの計り方
さらに、ややこしいことにトンで表す単位はまだある。その船に積み込むことのできる貨物の容量としての表し方だ。一五世紀初頭のこと、イギリスの政府はフランスからボルドー酒を運んでくる船に対して、税金を課そうとした。そのとき、船に積まれていた酒樽、容量が二五二英ガロン(約一一四六リットル)、重さが二二四〇ポンド(約一〇一六キログラム)を一単位として、それがいくつ積めるかということが船の大きさの表示方法になったのである。イギリスでは、今でも一英トンは二二四〇ポンドになっている。
そうして計った船の大きさは「載荷トン数」と呼ばれる。貨物船やタンカーのトン数を表すのはこの単位で、この船に積み込める貨物の重量となっているのだ。これは、満載喫水線(荷物を満載して船腹が水面に接する分界線)までいっぱいに貨物や燃料を積んだときの総重量から、その船の重さを引いて求められる。
そのほかに、艦艇など荷物を積んでも船の総重量がほとんど変わらない船の大きさを表す「排水トン量」といった単位もある。
一般的に漁船などの大きさは総トン数で表される。そして、総トン数が二〇トン未満を「小型船舶」、総トン数が二〇トン以上を「一般船舶」と呼んでいる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670833 |