ハットトリック①
【東京雑学研究会編】
§サッカーの「ハットトリック」の由来は何?
サッカーは一点二点を争うスポーツであり、大量得点が入ることはめったにない。それだけに一人の選手が複数の得点を稼ぐことは珍しく、だからこそ三点も取れば、「ハットトリック」と呼ばれて、大いに讃えられるのである。
Jリーグが発足し、二〇〇二(平成一四)年には日韓共同のワールドカップが開催されたこともあって、日本でもサッカー人気が高まっており、これまでサッカーにあまり馴染みがなく、ルールに疎かった人でも、「ハットトリック」という言葉を覚えた人は多いだろう。
でも、その言葉の意味となると、知っている人は少ないはず。なにしろ「ハットトリック」なのだ。帽子とサッカーがどう関係があるのだろう?
実はこの言葉、古くからイギリスで行われてきたクリケットという競技で使われていた言葉なのだ。クリケットは野球の原型になった競技で、イギリスの国技の一つ。なんと一〇のアウトを取らなければ攻守交代ができず、ピッチャーは大変。三人の打者を続けてアウトにするのも至難の業で、だからこそ三人続けてアウトにしたピッチャーには、そのすばらしい投球を讃えて、記念の帽子が贈られるのである。これが「ハット(帽子)トリック(技)」と呼ばれるようになり、同じイギリスで発祥したサッカーでも、一選手が三得点することを「ハットトリック」と呼ぶようになったのだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670764 |