日本②
【東京雑学研究会編】
§西日本と東日本の境界はどこにあるのか?
日本を東西に分ける境界については、地質学的、文化的にいくつかの方法があるとされているが、今のところ定説はない。
東日本の東京では「渋谷」は「シブヤ」となり、四ッ谷は「ヨツヤ」だ。しかし西日本の京都では「渋谷」は「シブタニ」となり、大阪の「谷町」は「タニマチ」なのだ。
こういった文化的な境目は、静岡県の静岡市と新潟県の糸魚川市を結んで南北に走る大地溝帯・フォッサマグナとほぼ一致する。
地質学的には、糸魚川~静岡を結ぶフォッサマグナ以西を西南日本、以東を東北日本と呼んでいる。
しかし、糸魚川~静岡より東側にも西南日本と同じような地質構造や岩石が分布していることがわかってきた。
これによれば、東西日本の境界を関東山地のさらに東側、柏崎~銚子とすることになる。
さらに、西南日本内帯の北アルプス地域の基盤岩はフォッサマグナの地下を経て北関東山地に露出していることを考えれば、東西日本の境界は柏崎~銚子の線よりもっと東に移されなければならなくなる。この境が山形県酒田市と茨城県日立市を結ぶ棚倉構造線と呼ばれる断層である。
このように地質学的調査が進むにつれて、東西日本の境界線は東へ東へと移動し、東北地方の棚倉構造線にまで移るに至った。
とはいえ、一般的には糸魚川~静岡線を東西日本の境目とし、地質学的には棚倉構造線を境界とする見方が定着している。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670722 |