チューリップ
【東京雑学研究会編】
§オランダでもてはやされたターバンに似た花
オランダの花として知られているチューリップ。どことなく帽子に似ていて、あの可愛らしい形から春の花として人気が高い。
チューリップの国オランダでは、一六三四年から一六三七年にかけて「チューリップ狂騒事件」がおこるほどの熱狂ぶりだった。
このチューリップ、オスマン帝国では「ラーレ」と呼ばれ国章にも用いられていた。トルコ宮殿内で、それはそれは大切に育てられていた歴史を持つ秘花だったのだ。ある日、宮殿をおとずれたオランダ人が、その花の美しさに魅せられて、オランダに持ち帰ったらしい。
では、そもそも「ラーレ」と呼ばれていたこの花、なぜチューリップと呼ばれるようになったのだろうか。
それは、オランダ人が、この花がチュルクリップ(トルコの帽子)のターバンに似ていることから「ラーレ」のことを「チュルクリップ」というニックネームで呼ぶようになったのがはじまりだ。
チュルクリップと呼んでいるうちに、いつのまにかチューリップと呼ばれるようになったのだ。
日本だけでもたくさんの色と形を見かけることができるこのチューリップ、オランダの品種登録リストによると、すでに二五〇〇種類以上の品種が、球根生産されている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670619 |