ソメイヨシノ
【東京雑学研究会編】
§ソメイヨシノは江戸生まれ!?
サクラは日本の国花でもあり日本人に最も愛されている花の一つ。学校の校庭にも必ずといっていいほどサクラの木は植えられている。
中でもサクラといえばその代表格は、ソメイヨシノがあげられる。ソメイヨシノというと、大和・吉野が原産地と思いがちだが、実際は違う。
江戸時代、巣鴨の染井に住んでいた植木職人が、生みの親なのだ。
この植木職人、日頃からとても研究熱心だったらしく、ソメイヨシノはどうやらオオシマザクラとエドヒガンを掛け合わせて誕生させたようだ。
はじめは、このサクラ、花の名所である大和・吉野山の名をとって「吉野」として売り出した。
花は一躍人気ものになり、江戸中に広まったが、「吉野」という名はまぎらわしいということになり、巣鴨の染井村の名前をとって現在の「ソメイヨシノ」と呼ばれるようになったのだ。
さてこのサクラ、唯一残念なことといえば花の開花期間がとても短いことだろう。開花時期は、一週間前後といったところだ。しかし、薄いピンクの花が木全体を埋め尽くして咲く姿には、言葉ではいい尽くせない美しい風情がある。
また、散りぎわもみごとだ。
春の風にさらされて散る花びらが桜吹雪となって舞う姿は、優雅であり潔くもある。
染井の植木職人のおかげで、今では、日本中でこの美しいソメイヨシノの花景色を楽しむことができる。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670552 |