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菊酒
【東京雑学研究会編】

§秀吉が愛した「菊酒」とは?
菊の花が美しく咲き始める九月は、菊にちなんだおめでたい謂れがいろいろと残されている。九月九日もその中の一つだろう。九月九日は、重陽の日として菊酒を飲んで邪気を払い、無病息災などを願う日だ。
九が重なることから重九ともいわれている。
この行事は、もともとは中国で行われていた行事だったが、やがて日本へ伝播し、日本でも重陽の日にはやはり酒杯に菊の花を浮かべて愛飲されていた。
さて、当時の古文書によると、この菊酒を秀吉が大変お気に召していたようだ。
しかし、同じ菊酒でも、どうやら秀吉が愛した菊酒は、酒杯に美しい菊の花を浮かべて飲む酒ではなかったようだ。
古文書の説明では、加賀・浅野川の水源に白菊が咲き乱れている場所があり、白菊のしずくが、したたりおちて浅野川は白菊の香り漂う川だったらしい。
この川の水を使って作った酒を菊酒といっていた。
秀吉が名酒として愛した菊酒は、ここ浅野川生まれの魅了的な水で丹精こめてつくった菊酒だったというわけだ。
![]() | 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670232 |