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奥の手
【東京雑学研究会編】

§奥の手は右手か左手か?
やや古風な雰囲気をまとっているこの「奥の手」という言葉、普段は、「奥の手を出す」という風に使われることが多い。「奥の手」そのものは「奥さんの手、奥義、奥に隠した手、秘術、最後の手段、取って置きの手段、容易に人に知らさぬ技芸、謀略など」という意味である。
ドタンバに追い詰められた場面で、打ち出した究極の一手。それで事態をめでたく打開できたときは、その一手はりっぱな「奥の手」といえる。
ところで、「奥の手」の「手」は右手か左手かと問われたら、どうだろう。答えは左手である。なぜなら、昔から「左」は「右」より上位なのである。これは左大臣が右大臣より上席であったことからもうかがえる。
「左」を大切にしたのは、心臓が左側にあるからという説もある。いずれにしても、右手より左手が大切にされたので、大切な手を出すことを「奥の手を出す」というようになった。
![]() | 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670128 |