アメリカ大統領の被爆地訪問
【あめりかだいとうりょうのひばくちほうもん】
アメリカのバラク・オバマ大統領が5月27日、世界初の原爆による被爆地である広島市を訪問する。
広島への訪問は5月26、27の両日、三重県で開催されるG7・主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)での来日に合わせたもの。安倍晋三首相とともに、平和記念公園を訪問。原爆死没者慰霊碑に献花する予定。「核兵器のない世界」に向けた声明は出される見通しだが、原爆投下の謝罪はしない意向。
広島訪問の布石は4月11日、ジョン・ケリー国務長官がG7外相会議で広島市を訪問。自ら広島平和記念公園、広島平和記念資料館を訪れることを提案し、原爆死没者慰霊碑に献花を行った。
アメリカの現職閣僚の訪問は初めてで、オバマ大統領に被爆地訪問を進言し、アメリカ国内の反応を探った。同国内では謝罪への拒否反応は残るものの、被爆地訪問に対する反対論は高まらなかった。このような世論を見極めた結果、オバマ大統領の訪問につながったとされる。
オバマ氏は2009年、第44代アメリカ合衆国大統領に就任。同年、核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意を表明したプラハ演説などが評価され、ノーベル平和賞を受賞している。
リチャード・ニクソン第37代大統領が大統領就任前、ジミー・カーター第39代大統領の大統領退任後が被爆地を訪れたことはあるが、原爆を投下した同国の現職大統領の訪問は初めて。(Abe,2016/5)
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425643 |