新三本の矢
【しんさんぼんのや】
2012年12月に発足した安倍内閣は経済政策の3本柱として「金融緩和」「財政政策」「成長戦略」を掲げ、毛利家とゆかりのある山口県選出の安倍晋三首相はこれをアベノミクスの「三本の矢」としてこれらの経済政策を推進。
2015年9月24日、自民党本部で開かれた両院議員総会において、安倍晋三首相が無投票で党総裁に再選され、新たな任期は2018年9月までとなった。
その後の記者会見で、安倍首相はアベノミクスは、「第二ステージ」へ移ると宣言。「一億総活躍」社会を目指すと語った。
少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も、人口1億人を維持する『ニッポン「一億総活躍」プラン』を作り、2020年に向け、その実現のために掲げた新「三本の矢」を提唱。以下の3分野を重点的に推進する考えを示した。
第一の矢は、GDP600兆円の達成を明確な目標にした『希望を生み出す強い経済』。
第二の矢は、現在は1.4程度の出生率を1.8に回復させるとした『夢をつむぐ子育て支援』。
第三の矢は、『安心につながる社会保障』。高齢者のみならず、現役世代の「安心」も確保するものでなければならないといった観点で、社会保障制度の改革・充実を進める。
※「三本の矢」は戦国武将の毛利元就(1497~1571)が三人の息子たちに対し、結束して毛利家を盛り立てるように諭した言葉として知られる。
元就は当初、安芸国(現在の広島県)の一領主で、中国西部、北九州一帯を支配した大大名・大内家に服属。やがて大内家で重臣・陶晴賢(1521~55)がクーデターで実権を握ると、元就は1555年の厳島の戦いで晴賢の大軍を少数で撃破し、中国地方で勢力を急拡大した。
しかし当時の毛利家は権力基盤が安定しておらず、元就は1557年、長男で嫡子の隆元、次男で吉川家の養子となった元春、三男で小早川家の養子となった隆景に対し、14か条に渡る「三子教訓状」で一族の結束を説いた。
「一本の矢はたやすく折れるが、三本の矢が束になれば折れない」という趣旨の「三本の矢」のエピソードが名高いが、これは「三子教訓状」を基にした後世の創作と言われる。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425616 |