「古畑任三郎」放送20周年
【「ふるはたにんざぶろう」ほうそう20しゅうねん】
1994年から2006年にかけて放送されたTVドラマ「古畑任三郎」シリーズが、2014年で放送開始20周年を迎える。「古畑任三郎」は、フジテレビ系列で放送された刑事ドラマシリーズ。アメリカの名作刑事ドラマとして日本でも知られた「刑事コロンボ」に範をとった一話完結の倒叙型ミステリ作品として、11年半にわたって高い人気を誇ってきた。倒叙ミステリとは推理物語の形式の一つで、犯人およびトリックが読者に冒頭から明かされているもののこと。探偵や刑事が犯人を追い詰め、読者は、その間の犯人との心理戦およびトリックが破られるきっかけがどこにあったかを楽しむ。主役の警部補・古畑任三郎を演じたのは田村正和。以前から「眠狂四郎」などの時代劇、「パパはニュースキャスター」などのホームコメディ、「ニューヨーク恋物語」といったラブストーリーで二枚目TVスターとしての地位を確立していた田村だったが、本作が一番の当たり役となった。ニヤニヤ笑いともってまわったまわりくどい言い回し、皮肉っぽい言葉づかいなど古畑の特徴的なキャラクターと、田村自身のハスキーな声、独特な髪形などが入り交じって非常に印象的な役となり、物真似をする芸人が激増した。古畑の物真似としてはとんねるずの石橋貴明が、古畑以前から田村の物真似をしていたタレントとしては小堺一機が代表的。脚本は三谷幸喜。劇団「東京サンシャインボーイズ」での活動や、深夜TVドラマなどで既に知る人ぞ知る存在であったが、本作が代表作の一つとなった。また、「東京サンシャインボーイズ」に所属していた俳優で、三谷の盟友・西村雅彦も本作の「今泉」役で知名度を一躍高めた。毎回、犯人役としてゲストスターが出演する。ゲストにはいわゆる大物がキャスティングされ、時には、俳優や芸能人以外が起用されることもあった。完結編「ファイナル」では現役野球選手であるイチローが本人役で登場した。1994年の第1期シリーズから、96年の第2期、99年の第3期を経て、2006年完結。ただしその間にもスペシャル、総集編、特別篇、スピンオフなどが多数制作されている。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425573 |