ボーイング787
【ぼーいんぐななはちなな】
米国の航空機製造大手・ボーイング社が開発した新鋭の中型旅客ジェット機。
基本型の「787-8」(全長56.7m、全幅60.1m、座席数210~250、航続距離14,200~15,200km)と、胴体を長くしたストレッチ型の「787-9」(全長62.8m、全幅60.1m、座席数250~290、航続距離14,800~15,750km)がある。
機体の50%を日本の東レ製の炭素繊維で作るなど軽量化。大型機並みの航続距離を実現して欧州路線への就航ができるようになり、燃費も既存の機種より2割向上した。
エンジンは米ゼネラル・エレクトリックと英ロールスロイスの両社が供給しているが、日本企業が機体の約35%を手掛けており、東レ以外では、三菱重工業が主翼を、川崎重工業が前部胴体を、富士重工業が中央翼をそれぞれ担っている。
ボーイング社は2003年に航空会社への提案を決め、翌04年、全日空が加わって開発がスタート。09年12月に初飛行し、11年10月に全日空で営業就航した。 このほか、日本航空や米ユナイテッド航空、インドのエアインディア、チリのラン航空などで導入されている。
しかし開発中からトラブル続きで、2013年に入ってからも1月7日に米ボストンで日航機のバッテリーから出火。11日には国内で飛行中の全日空機のコックピットの窓ガラスにひび割れが発生し、13日にも成田空港で整備中の日航機から燃料が漏れた。16日には、山口発羽田行の全日空機が飛行中に発煙。高松空港に緊急着陸し、乗客らが脱出用シューターで退避する騒ぎが起きた。
787の運航は世界的に中止となり、関連企業の株価急落など波紋を広げた。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425451 |