アルマニャック
700年の歴史を持つブランデー
フランスにおけるブランデーの起源は、14~15世紀頃にスペインからバスク地方を経てフランス南西部のアルマニャック地方に伝えられたのが始まりとされる。アルマニャックは、コニャック同様に原産地呼称統制(AOC)により保護されており、原料のぶどう品種は、ユニ・ブラン、フォル・ブランシュ、コロンバール、バコなど。このうち約80%をユニ・ブランが占める。製法は、伝統の半連続式蒸溜法で1回蒸溜という場合が多い。繊細なコニャックに対し、野趣に富んだ骨太で男性的な味わいのものが主流だ。
最高峰はバ・アルマニャック
産地は、バ・アルマニャック、アルマニャック・テナレーズ、オー・アルマニャックの3つに分けられる。これは土壌の違いによるもの。単一の地域内で作られたぶどうのみを使用した場合は、地域名を表示することが許されている。バ・アルマニャックはプラムのような香りでまろやか、テナレーズは香りが濃厚でコシが強く、オー・アルマニャックはおとなしい味わい、とそれぞれ性格が異なる。一般的にはバ・アルマニャックが最高峰として知られる。
コニャック同様、造り手には自社畑を持つドメーヌまたはシャトーと、原酒などを仕入れて熟成やブレンドを行うネゴシアンが存在する。バスク瓶と呼ばれる独特な平たい形のボトルが多いのもアルマニャックの特徴だ。
| 東京書籍 (著:上田 和男) 「洋酒手帳」 JLogosID : 8515595 |