ニュージーランド
"ニュージーランドは、オーストラリアと同じ南半球にあって、しかも隣国。ワインの特徴も似ているのではないかと思われがちだが、実際のワインの個性はかなり異なる。広大な国土を持つオーストラリアに対して、ニュージーランドの国土は日本の7割ほど。南北に長く、北島、南島に分かれている。ニュージーランドで最初のぶどう畑は19世紀に北島に開かれたといわれ、商業的に発達したのは20世紀以降。その起爆剤となったのは南島のマルボロ産のソーヴィニヨン・ブランだった。1973年にマルボロで初めてぶどうが植えられたというこの地区のソーヴィニヨン・ブランは、フランスをはじめ他の生産地のソーヴィニヨンにはみられない独特の風味があり、それが広く世界に認められ、ワイン輸出国としての地位を伸ばしてゆくとともに、国内の新たな産地の開発も進んだ。現在もソーヴィニヨン・ブランは世界に誇るニュージーランドの象徴品種としての地位を保ち、栽培面積も最も多く、マルボロは今もその中心地として高い知名度を誇る。赤の品種ではピノ・ノワールへの注目が高い。ニュージーランドのワインは、全体に冷涼なその気候に合った繊細な味わいが特徴的である。価格的には格安なものは少なく、2000円くらいからを目安に中価格帯のものが多い。
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| 東京書籍 (著:熊野 裕子) 「ワイン手帳」 JLogosID : 8538817 |