ラングドック&ルーション/南西地方/プロヴァンス
【ラングドック&ルーション】
おいしいけれど肩がこらず、値段も手ごろなワインを飲みたいと思ったら、このエリアのものを選ぶと当たり外れが少ないだろう。フランス最南端に位置するこの生産地は、スペインの国境から東はローヌ河口付近まで地中海に沿って広がっている。主力は赤ワイン。グルナッシュ、カリニャン、シラー、ムールヴェードル、サンソーなどの品種からつくられるワインは、家庭料理などと合わせるのにぴったり。最近はそんなデイリータイプに加えて、高級志向のワインづくりを行う生産者も増え、格付けなどの型にはまらない、バラエティに富んだ個性あるワイン選びが楽しい。
【南西地方】
ボルドー地方の東から南のピレネー山脈にかけての丘陵地帯に点在する産地。昔からの地元品種が残る地域も多く、例えば黒ワインといわれる「カオール」や、タナ種主体の赤を産する「マディラン」などがあげられる。ちなみにタナ種は、赤ワインに含まれるポリフェノール類のうちでもオリゴメリック・プロシアニジン(OPC)が多く含まれ、心筋梗塞などの予防効果を期待できるとの研究結果が英国ロンドン大学の研究チームによって発表されている。
【プロヴァンス地方】
地中海に面したこの地方はフランスで紀元前からすでにフェニキア人によってワインづくりが始まっていたとされる。ロゼを中心に、軽くて口当たりのフレッシュなテーブルワインが多いが、近年は高級ワインの生産も増えている。
| 東京書籍 (著:熊野 裕子) 「ワイン手帳」 JLogosID : 8538748 |