シャンパーニュ
フランス最北の生産地。この地域ではシャンパンと呼ばれる高級スパークリングがつくられる。かつては赤のスティルワインを産していた時代もあったようだが今は影をひそめ、シャンパンの生産に特化した独自のスタイルを築き、揺るぎない地位を誇る。
シャンパンに使われる品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3つ。通常はブレンドされ、その比率が生産者(メゾン)のスタイルを表現する要素となる。赤ぶどう品種(ピノ・ノワールやピノ・ムニエ)だけでつくる「ブラン・ド・ノワール」や、シャルドネだけでつくる「ブラン・ド・ブラン」など、ぶどう本来の個性をよりいかしたものもある。
通常のスティルワインは、単一年のぶどうを使い、ボトルにそのヴィンテージ(収穫年)を記すのが一般的だが、シャンパンにおいては複数の収穫年、品種、畑からつくるワインをブレンドするため、ボトルに収穫年の記載がないNV(ノンヴィンテージ)の製品が多い。ぶどうの出来がよい年に限り、単年のベースワインのみで仕込まれ、ラベルにヴィンテージが記される。NVに比べて若干値段は高い。
甘辛の表記は、Brut(辛口)とDemi Sec(甘口)に大別できる。より強い辛口はエキストラブリュット、リキュール添加(ドサージュ)をしていない場合、ゼロドサージュなどと記される場合もある。色は白が主流。サーモンピンク色をしたロゼも近年人気がある。
抜栓は十分に冷やしてから行うこと。温度が高いと中身が噴き出す可能性がある。コルクを抜く際、ポン!と大きい音をたてると溶け込んでいる旨みが泡とともに逃げてしまうので、なるべく静かにスマートに。きめ細かにたちのぼってくる泡を観賞し、香りが逃げにくい効果もあるフルート型のグラスで楽しむのが理想的。炭酸の気が抜けるのを防ぐための専用栓(シャンパンストッパー)があると便利だ。
| 東京書籍 (著:熊野 裕子) 「ワイン手帳」 JLogosID : 8538733 |