ベース基礎知識 ラム
"サトウキビから砂糖を造る際にできる糖蜜などの副産物を原料として造られる。ラム発祥の地は西インド諸島とされており、17世紀の初めにバルバドス島へ移民したイギリス人たちによって造り始められたという説が有名。この酒を、西インド諸島の先住民たちは「ラムバリオン(Rumbullion)」と呼んでいたそうで、頭文字を取って「ラム」と呼ばれるようになった、というのが語源の定説だ。ラムバリオンは、「興奮」「騒動」などの意味である。
ホワイトラム(ライトラム)
カクテルのベースに使われることが多いのは、ホワイトラムだ。ラムは色によって分類すると「ホワイト」「ゴールド」「ダーク」の3種類に分けられ、風味や芳香によると「ライト」「ミディアム」「ヘビー」と分けられる。ホワイトラムは、その分類どおり色は無色透明で、風味は軽く、まろやかな味わい。キューバやプエルトリコで多く造られ、代表的な銘柄はバカルディ、ハバナクラブなど。
ゴールドラム(ミディアムラム)
ホワイトとダークの中間的な色合いと、やはり中間的な味わいをもつ。両者のよいところを兼ね備えているとされ、人気の高いラムだ。南米ガイアナのデメララ川沿いで造られる「デメララ・ラム」、マルティニク島で造られる「マルティニク・ラム」などが有名。
ダークラム(ヘビーラム)
内側を焦がしたオークの樽で3年以上熟成されることにより、濃い色と強い風味をもつ。芳香を高めるため、蒸留の際にパイナップルの絞り汁やアカシアの樹液などを加えることもあるそうだ。ジャマイカが主な産地で、代表的な銘柄はマイヤーズ、コルバなど。ダークラムはストレートやロックで飲まれることが多いが、マイヤーズをコーラで割った「マイヤーズ・コーク」など、カクテルも人気が高い。
その他
香辛料やフルーツで香味を付けた「スパイスドラム」(フレーバードラム)もある。また、ラムと同じくサトウキビを原料とする蒸留酒に、ブラジル産の「カシャッサ」(ピンガ)、日本・奄美諸島産の黒糖焼酎などがある。
"
| 東京書籍 (著:上田 和男) 「カクテル手帳」 JLogosID : 8538978 |