道路標識
【どうろひょうしき】
道路標識にも縄張がある?
中央分離帯やガードレール、信号などとともに、交通安全上なくてはならないものに道路標識がある。
道路標識は、道路利用者に記号または文字で情報を伝える暗号のようなものである。走行中のドライバーには、瞬時に情報が伝えられなければ意味がない。そのためには、標識が誰にもわかりやすいことが必要で、しかも統一されたものでなければならない。地域ごとに標識が異なっていたのでは、道路標識のあること自体が、事故の発生原因になりかねないのだ。だが、道路標識が全国的に統一されたのは一九三五(昭和一〇)年と新しく、国際的に統一が図られるようになったのも、一九六八年に国連で「道路標識および信号に関する条約」が採決されてからのことである。
道路標識には本標識と補助標識とがあり、本標識はさらに案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識に分類される。
案内標識は行先の方向、距離、高速道路の入口など、道路情報サービスを提供するもので、警戒標識は踏切や信号、幅員減少などがあることを知らせ、注意を促すものである。規制標識は駐車禁止、一時停止、一方通行など、道路利用者に禁止や規制を加えるためのもの、指示標識は駐車可、優先道路など、道路利用者に許される内容を伝えるものである。
これらの標識の設置、管理はすべて同一の法人あるいは団体で行っていると思っている人も少なくないようだが、それぞれの標識によって管轄が違う。案内標識と警戒標識は国および地方公共団体の道路管理者が設置しているのに対し、規制標識と指示標識は公安委員会(都道府県警察)が担当しているのである。規制標識を守らないものは、交通違反者として罰則が科せられる。
| 日本実業出版社 (著:浅井 建爾) 「道と路がわかる事典」 JLogosID : 5060009 |