【四字熟語】四字熟語 > 仏教伝来と輪廻生死
心頭滅却
【しんとうめっきゃく】

「心頭を滅却すれば火もまた涼し」とは、やせ我慢のことではない。心の持ちようで、どんな苦難でもしのげるという心意気のこと。織田・徳川連合軍の猛攻で、武田勝頼は居城を捨てて敗走、菩提寺の恵林寺(山梨県塩山市)に逃げ込んだ。この寺の住職快川和尚が、包囲軍の目前で、燃える山門の楼上に端座し、泰然自若としてこの句を唱えながら焼死したことで有名になった。雑念を払い、無念無想の境地に到れば、熱い火の中にあっても熱さを感じず、かえって涼しさを感じるものだ。修験者の火渡りはこれを実践する修練。『碧巖録』四十三則。
![]() | 日本実業出版社 (著:真藤 建志郎) 「四字熟語の辞典」 JLogosID : 4373600 |