沢山の本を読むことで人びとの考えの矛盾に驚き考えがきまらなくなる人があるなら本も沢山読まないがよ
【名言名句】
沢山の本を読むこ
とで人びとの考えの矛盾に驚き考えがきまらなくなる人があるなら本も沢山読まないがよいわれらが本を沢山よむのはつまり、自己発見のためである
【解説】
多くの本を読むのは、著者の考えを丸ごと取り込むためではない。自分なりに消化して、そこから必要なものを精神的な糧としたり、知識を教養として身につけるためである。それが自己を形成して、自分を発見することへとつながるのだ。そのためには、ただ読むだけではなく、きちんとした批判眼をもつことが必要だろう。
いろいろな考え方があるのは当然であり、その多様性に考えを揺さぶられるようでは自分に資することにはならない。それよりは、数は少なくともじっくりと読んで、内容や著者の考え方を評価する眼を養うほうがよい。それを繰り返すことで自分の価値基準や考え方がしっかりと定まってくる。
そうなれば、多くの本を読んでも自分がぶれることはなくなるだろう。
【作者】武者小路実篤
【生没年】1885~1976
【職業】作家
【出典】『希望と回想』
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450541 |